音が出ないサックス、修理は損? ~放置した楽器のメンテナンス費用と買取価格のリアルな話~

コラム・知識
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部屋の片隅で、静かに眠っているサックスケース。 「最後に開けたのはいつだったかな…」 学生時代の思い出が詰まっているけれど、ケースを開けるのが少し怖い。長年放置してしまったサックス、果たしてちゃんと音は出るのだろうか。

「修理に出したいけど、費用が高そう…」
「こんなボロボロの状態じゃ、もう価値はないかも…」

そう諦めてしまう前に、ぜひこの記事を読んでみてください。 この記事では、管楽器リペアマンから聞いた話をおりまぜながら、長期放置されたサックスのリアルな修理費用と、「修理せず、そのまま売る」という賢い選択肢について、実際の数字を交えながら徹底解説します。あなたの楽器の本当の価値を知るためのアドバイスです。

長期間放置したサックスの典型的な症状

「久しぶりにケースを開けてみたら、なんだか様子がおかしい…」 長年使っていないサックスには、特有の症状が現れます。まずは、ご自身のサックスがどのような状態かチェックしてみましょう。

タンポ全体の劣化・タンポ漏れ・パッド剥がれ

最も多いのが、音孔を塞ぐ「タンポ(パッド)」のトラブルです。湿気や乾燥で革が硬化し、ひび割れやベタつきが発生。これが原因で隙間(タンポ漏れ)ができ、息が漏れて特定の音が出なくなります。古い接着剤が劣化し、タンポが剥がれ落ちていることも珍しくありません。

キイ動作不良/ガタ・固着・凹み・サビ

キイを動かすためのオイルが切れ、ホコリと固着して動きが鈍くなっているケースも多いです。逆にキイポストの芯金が摩耗し、ガタついていることも。管体の小さな凹みや、メッキの下から浮き出るサビも、長期保管ではよく見られる症状です。

管体変形・ジョイントゆるみ・音が出ない原因

リペアマンによれば、「音が出ない最大の原因は、やはりタンポの劣化による息漏れです。しかし、稀に管体そのものが僅かに変形していたり、ネックとのジョイント部分が緩んでいたりすることもあります」とのこと。これらは見た目では判断が難しく、専門家による診断が必要です。

修理費用の相場

では、これらの症状を修理するには、一体どれくらいの費用がかかるのでしょうか。 一般的な修理工房の料金表を参考に、リアルなサックスの修理費用を見ていきましょう。修理費用が大きくなりやすいバリトンサックスの例で見てみます。

バリトンサックスで特に高額になる修理項目

リペアマンのAさんによれば、「特にバリトンサックスの買取では、修理費用が査定に大きく影響します。パーツが大きく数も多いため、全タンポ交換ともなると費用は高額になりがちです」とのこと。 例えば、10年放置したバリトンサックスで、タンポ全交換に加えて数カ所の凹み修正、分解洗浄を行うと、修理費用が15万円を超えたという実例もあるそうです。

一般的な修理工房の料金表から見る費用の目安

複数の修理工房の料金表(※1,2)を見ると、費用の目安は以下のようになります。いずれにしても「機種・状態・楽器店により変動する」ということにご注意ください。

  • 最低限のバランス調整
    8,000円 ~
    とりあえず音が出るようにするための最低限の調整でも、このくらいの費用は見ておく必要があります。
  • 全タンポ交換(オーバーホール)
    123,200円 ~
    長期放置された楽器では、ほぼ必須となる全タンポ交換。アルトやテナーの普及モデルでも10万円弱、バリトンサックスでは12万円以上、上級モデルの場合14万円以上が相場です。
  • 管体の凹みや曲がりの修正
    20,000円 ~
    凹みの大きさや場所によって価格は変動し、全体調整が必要になる場合やメーカーへ依頼する場合もあり、ほぼ間違いなく、一度見積もってもらわないといくらかかるとはいえません。

※1 参考: サックスのリペア/修理料金表 – 管楽器専門店DAC
※2 参考: サックスリペア料金表 – 日本楽器工房

「修理してから売る」は本当に得か?

「じゃあ、10万円かけて修理してから売れば、査定額も10万円以上アップするの?」 そう考える方もいらっしゃるかもしれませんが、その考えは少し危険です。

修理費用>査定アップ額となるケースが多い

なぜなら、買取について店舗に聞いてみたところ、「修理にかかった費用」が「修理によってアップした査定額」を上回ってしまうケースが多いのだそうです。

あくまでこういう例があったという話なのですが、私がお話を伺ったケースでは、10万円以上の整備を行っても査定額が5〜7万円しか増えなかった楽器もあります。さらに海外フォーラムでは、アルトサックスのケースですが、オーバーホール費用が約US$400-500であっても、売却価格で回収できないケースがあるといった意見がありました。

[Saxophones] Is it worth overhauling a YAS23

買取専門店が「そのまま」の状態でも買い取る理由

一部の買取専門店は、自社でリペア工房を持っていたり、提携工房と契約していたりするため、一般のお客様よりもはるかに安く修理・調整ができます。 そのため、彼らは修理費用を差し引いた上で、楽器そのものが持つ価値を評価し、買い取ることができるのです。

売却前の判断フローチャート

ご自身の状況に合わせて、最適な選択をしましょう。

  • 今後も自分で演奏する可能性がある?
    • YES → 信頼できるリペア工房に修理を依頼する
    • NO → 次の質問へ
  • その楽器に、金銭的価値以上の強い愛着や思い出がある?
    • YES → 修理して、動く状態で大切に保管する
    • NO「そのままの状態で」買取専門店の無料査定へ

賢い選択は「そのまま売る」?

多くの場合、金銭的な合理性で判断するなら、「修理せず、そのままの状態で専門業者に売る」のが最も賢い選択と言えます。

「訳あり品」に強い買取専門店の特徴

  • 自社修理工房を完備
    安価に修理できるため、状態が悪い楽器でも価値を見出してくれます。
  • 部品としての価値も評価
    万が一修理不能でも、パーツとしての価値を評価し、買い取ってくれる場合があります。
  • 査定から即決・現金化
    面倒な修理の見積もりや期間を待つ必要なく、その日のうちに現金化できます。

売却前のチェックリスト

査定に出す際は、正直に楽器の状態を伝えることが高値買取のコツです。

  • 付属品(ケース、マウスピース、保証書など)は揃っていますか
  • いつから使っていないか、保管状況はどうだったか思い出せますか
  • 気づいている不具合(音が出ない、キイが動かないなど)を正直に伝えましょう

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まとめ:諦める前に、まずは「無料査定」で価値を知ろう

長年放置してしまったサックス。ケースを開けるのは勇気がいるかもしれませんが、その楽器はあなたが思っている以上の価値を秘めているかもしれません。

高額な修理費用をかけてから売却を考えるのは、多くの場合得策ではありません。まずは、「そのままの状態で」プロの査定を受け、あなたの楽器の本当の価値を知ることから始めてみませんか?

ここでご紹介する買取専門店は、音が出ないサックスの買取にも対応しています。査定は無料。もし価格に納得できなければ、売る必要は一切ありません。あなたの楽器の新たな可能性を見つけるために、まずは気軽に相談してみましょう。

▼ 状態が悪いサックスでも相談できる買取専門店はこちら

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