吹奏楽部の卒業生送別会。久しぶりの部室での最後の合奏で、涙をこらえながら吹いた最後のメロディー。あれから何年経ったでしょう？ サックスのケースを開けるたび、部室の笑い声が蘇り、手が止まってしまう…。
仲間たちとハイタッチを交わして部室を後にしたあの日から、数年が経ちました。クローゼットの奥にしまわれたサックスは、埃を被り、時折目にするたびに胸がざわつきます。
「売っちゃおうか」と考える瞬間もあるけれど、でも、手放すのは惜しい。あの熱いリハーサルの記憶、本番前の幕裏での声だし、観客の拍手、楽器が息づく感覚――それらを、この楽器とともに歩んだ記憶を本当に失くしていいのでしょうか？
実際、吹奏楽を経験した卒業生の多くが同じ悩みを抱えています。調査によると、部活動終了後、楽器を処分する人は約30%に留まり、残りは「いつかまた」と保管を続けているようです。
売却すれば数万円の現金が手に入るのは魅力的ですが、そこで終わりにするのももったいない。まだ手元にあるのであれば、むしろ、再開のチャンスとして捉えてみませんか？
社会人になって忙しくなっても、短時間で楽しめる方法は意外とあります。例えば、オンラインや出張レッスンなら、通勤の合間や週末に30分から始められます。2025年現在、初心者・再開者向けのサックス教室は増えていて、ヤマハや島村楽器のような大手楽器店や、自分の予定にあわせて教室や講師を選択できるようなコースを持つ音楽教室が無料体験を提供中です。
そこではプロ講師が基本の息の入れ方からアドバイスしてくれ、挫折の原因（練習時間の不足など）を分析してくれます。また、音楽教室の場を通じて新しい音楽仲間が増え、あらたにバンドを組んだり、吹奏楽団へ入ったり、あこがれだったオーケストラの一員になったり、という展開があるかもしれません。
私も管楽器の演奏者の端くれですが、経験者として言わせていただくと、しばらく眠っていたとしても、楽器、特にサックスのような金属製の楽器はメンテナンス次第で現役当時のように蘇ります。パッドのチェックや簡単なクリーニングで昔の音色が戻るケースがほとんどです。
それに再開すれば、売却の選択肢も広がります。普段使っている楽器は音の鳴りも良くパーツの動きもスムーズなことが多いため動作面での不安が減ります。さらに自分のモチベーションが上がり、今の楽器を下取りにして上位機種へ乗り換えれば、高値で売れるかも知れません。また逆に「やっぱりこの楽器を使い続ける！」と決断できるかも。まずは復活へ向けて一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか？
そんなあなたに、優しい再開の扉をご案内します。
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